認知症とは
いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。


今後の推計
認知症の患者数が2030年に推計523万人にのぼることが、厚生労働省研究班が2024年5月8日に示した調査でわかりました。
2022年時点の443万人から8年間で約80万人増える推計です。
高齢化の進展に伴い、2050年には587万人、2060年には645万人と増加傾向が続きます。
認知症の予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の患者数も2030年に593万人、60年には632万人まで増えると推計しています。
この予備軍も含めると、認知症患者数は2030年には1100万人を超す勢いです。
脳血管疾患の現実

脳血管疾患とは
脳血管疾患とは、脳動脈に異常が起きることが原因でおこる病気の総称です。
脳血管疾患の後遺症には、手足の麻痺をはじめ、言語障害や視覚障害、感覚障害などさまざまなものがありますが、どのような後遺症が現れるかは、損傷を受けた場所と損傷の程度によります。 後遺症の程度によっては寝たきりになったり、介護が必要になったりすることもあります。

患者数は174万人
厚生労働省「患者調査」では、2020(令和2)年の脳血管疾患の患者数は174.2万人(男性94.1万人・女性80.1万人)になっています。性・年齢別にみると、男性の70歳代(36.5万人)、女性の80歳以上(36.1万人)で患者数が多くなっています。
あなたの老後何が心配ですか?
メットライフ生命は生命保険会社として、全国47都道府県の20代から70代までの男女1万4100人の意識調査である「老後を変える 全国47都道府県大調査」によると対象者全体の中では老後不安のトップ3は、1位:お金、2位:健康、3位:認知症です。

ところが、金融資産1億円以上の層の老後不安は
「認知症」が60.6%でトップ、次が「自分自身の介護」(56.5%)、「健康」(53.2%)と続きます。
富裕層は「相続対策」「事業承継」「資産管理」
関する不安を抱えており、本人が認知症や脳血管疾患などで判断能力を失ったケースを想定し、準備している人は少ないようです。
判断能力(意思能力)について
意思能力とは
「判断能力」は法令には登場しない言葉のため、ここでは「意思能力」とします。
「意思能力」とは、法律上有効な意思表示をする能力のことであり、意思能力を有するか否かは、自分自身の行為の結果を判断し得る精神状態・精神能力があるか否かによって判断されます。
意思能力がない状態でなされた法律行為は無効です(民法3条の2)。

意思能力と認知症
民法上、認知症を患った人は「意思能力のない者」として扱われます。 そして意思能力がない人の契約行為などは「無効」又は「取り消せる」ことになっています。 こうした意思能力がない、または低下していることは医師の診察によって明らかになりますが、 もし医師から「認知症である」と診断を受けると、法律行為が無効とされるのです。

認知症=意思能力がない状態で締結した契約
絶対的無効 様々な場面に悪影響を及ぼす!
法律行為の無効が及ぼす具体的な影響場面
- 身分行為(結婚、離婚、養子縁組、養子離縁など)
- 遺言書の作成および書換(自筆遺言、公正証書など)
- 預貯金の入出金手続
- 証券会社への売買指示
- 生命保険契約関係(新規契約の締結、既存契約の内容変更、保険金請求など)
- 贈与契約(現金、不動産、自社株など)
- 自社株売却(M&A、関連法人など)
- 不動産関連行為(売買、建築、建替、賃貸借契約、管理など)
- 金銭消費貸借契約(収益物件の購入や建築に伴うもの)
- 医療・介護関連(老人ホームの入所、医療や介護サービスを受ける際の契約など)
- 議決権行使(株主総会、取締役会など)
- 信託契約(生産緑地は保全不可)
- 任意後見契約
- 遺産分割協議
- 相続放棄
- 事業承継
致命的な悪影響!
もし、あなたが認知症になったら?
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預金の入出金ができない
- キャッシュカードを紛失した場合、同様の問題が生じる
- キャッシュカードがあれば引き出し可能
⇒使い込み問題から親族間の亀裂が生じる
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証券会社への売買指示ができない
- 口頭での売買指示は不可能
- ネット取引であれば売買可能
⇒親族間の亀裂が生じる可能性あり
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施設入居後の支払いのため空き家自宅の売却ができない
- 自宅売却の場合には、他に預金がないか、自宅に戻る可能性がないかなど家庭裁判所が厳密に判断する(成年後見制度)
もし、不動産オーナーが認知症になったら?
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賃貸契約が締結できない
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大規模修繕や建替ができない
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管理会社との契約ができない
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推定相続人が本人の代理で不動産経営を進めているケースが多発しているが、本来はすべての契約行為が無効である
⇒契約が交わせないということは、賃貸経営は不可能である
もし、経営者が認知症になったら?
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自社株売却ができない
個人資産が動かせない-
会社⇆個人の名義変更ができない
⇒個人資産が動かせない、会社の株式が売却できない
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会社⇆個人の名義変更ができない
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議決権の行使ができない
(役員すら決定できない)- 議決権行使段階での意思決定能力なし
- 代表取締役である以上、会社名義で締結した契約が事後的に無効とされる恐れ
⇒ビジネスに大打撃を及ぼす可能性あり
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遺言書の作成や生前贈与ができない
(事業承継ができない)- 遺言書を作ることができない
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株などを生前贈与することができない
⇒事業承継に関する手続きができない